新型肺炎について考える

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新型コロナウィルス肺炎の拡大が止まりません。

日本でも中国への渡航歴のない方、感染者との接触が不明の方などに対する感染が確認され、今後、更に拡大が進んでゆくのではないかという不安が拡がっています。

今回の新型肺炎の特徴は、潜伏期間が2週間程度とみられること、発熱、息切れ等の症状が発生しないこともあるので、知らない間にウィルス感染が拡大するリスクがあること、日本国内においても死者、重篤者が発生したこと等が上げられています。すなわち、静かに、密やかに感染が拡大してゆく恐れがあるので、不安に駆られることを一概に否定することはできません。

このような時には、もう一度立ち止まって冷静に状況を観察することが必要なのではないでしょうか。

今回の新型肺炎は、空気感染ではなく、飛沫感染接触感染によって罹患すると言われています。一部には「エアゾル感染」といってくしゃみなどで体外に出た病原菌が乾燥してから飛沫核となり、空気中に漂って長時間浮遊するために生じる感染を指摘する向きも出てきました。空気中を漂う「エアゾル感染」は、「空気感染」と同一視されてしまうのですが、「空気感染」するのは麻疹、水痘、結核の3つだけと言われています。

果たして今回の感染に「エアゾル感染」が入るのか、現時点では厳密には規定されていません。インフルエンザも空気感染では感染しないと言われています。従って、この部分については、今後の情報が必要になりますが、徒らに動揺することは控える必要があります。

今回のような事態では、正確な情報を掴むことが何よりも必要です。その前提は、隠蔽されない公開情報をきちんと適宜に政府が提供することです。そのような意味で今回の政府対応はしっかり対応していると私は考えています。批判はあります。クルーズ船に2週間とどめていたことで船内感染を拡大させたというものはその一つです。

船内の方々、乗務員の方々に取って大変お気の毒な事態であると思いますが、水際感染防止を第一義とする政府方針に間違えはなかったと私は思います。

 

一方、この数日間、報道されているように市中における感染拡大が懸念されていることから、今回の新型肺炎が新たな段階に入ったと報じる動きも出てきました。

ここでは、もう一度原点に立ち戻って、新型肺炎対策すなわち①手洗いの励行②咳き込む人は他人に飛沫を飛ばさないようにマスクの励行が必要となってくるのではないでしょうか。

私も肺機能の低下に年末年始悩まされました。高血圧、糖尿病等の既往症の有無、加齢による抵抗力の不足、ストレスの影響などを持つ方々が、症状を悪化させることは十分に考えられるので、この点は注意が必要です。より以上に安静にする、人混みには出かけないなどの対策が必要でしょう。

もう一つ、考えるべきポイントは、認知心理学でいうところの「バイアス」の問題です。「バイアス」とは、偏り、偏向を表す言葉です。例えば、集団心理で人が集まるところに自分の本来の意思と反してついて行ってしまう。情報不足による心配に駆られ、判断が行き過ぎてしまう。昨今はマスコミが耳目を引くために過大な報道に走ることがあるので、このような「バイアス」が引き起こされ易い可能性が高まっています。この点については、やはり的確な情報把握と判断が必要です。無批判に偏った意見を受け止めることは慎まなければなりません。

感染対策も進みますし、潜伏期間も限られていることから、いずれ、今回の新型肺炎もその時期は分かりませんが、自然収束してゆくものと私は考えています。2003年のSARSでもそうでした。

冷静になって情報を収集し、自分で判断する。これが大切です。

 

shumaishunchan